厳しかった夏もようやく和らいで、秋らしい気配を感じるようになってきましたね。
そんな秋の風にのってきたかのように、展覧会のお知らせを頂戴しました。
摺佛画の世界〔八大菩薩〕 谷中和生展のお知らせです。
谷中御夫妻と弊社社長・ディレクターは兼平禮輔先生、瀧脇典世先生のご縁で長いおつきあいをさせていただいています。
谷中氏のメッセージをこちらに掲載させていただきます。
摺佛(しゅうぶつ)のこころ
一九九三年、相国寺承天閣美術館に於ける滝脇光「墨の変奏」展で、私は初めて版画による自作佛画「七観音」を制作し、賛助出品しました。瀧脇典世先生が揮毫された梵字真言を配したかたちと鮮やかなブルーの地色は、その後の私の摺佛画の特徴のひとつとなりました。
二年後、宝塚の大悲山普門寺新築にあたり、本殿、客殿に十種を超える摺佛画を納めることになり、あらためて佛教版画の意味を考えました。歴史的には、作善業として印佛、摺佛という佛を摺写する作業があり、後には各地の寺院が尊像を摺り、人々の信仰をあと押しすることになります。後者の場合、誰が版をつくり誰が摺ったかはさほど重要ではありませんでした。
それを必要とするひとがいれば、その数だけ世に出す。この佛教版画のこころにそって私も制作を続けていこうと思っています。私の摺佛画には限定番号も自筆サインも記してありませんが、制作の責任を明らかにする意味で兼平禮輔師にいただいた梵名と落款を入れております。
願わくば、私の摺佛画が人々の心に平安をもたらしますように。
谷中和生
頂戴したお知らせに刷られている、やさしく手をさしのべる観自在菩薩を見ているとふつふつとパワーが湧いてきます。
きっと素敵な個展になることと思います。ぜひぜひ皆様お運び下さい。
2010年9月28日(火)〜10月10日(日)
12:00-19:00(最終日は17:00まで)月曜休廊
GALERIE h2O
http://www.eaudesign.com/h2o/